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日の丸半導体新会社、「10年遅れ」を取り戻せるか 経済産業省主導の国策、待ち受ける「茨の道」

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特集『半導体 次なる絶頂』の第15回。先端半導体の量産を目指す新会社の設立。最先端の半導体を日米連携で確保する国策がスタートした。

半導体新会社、ラピダスの設立会見
急きょ開かれた会見には、50人以上の記者が集まった(撮影:梅谷秀司)

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ニッポン半導体復活の糸口となるか――。

11月12日午後4時、経済産業省のオフィスに程近い虎ノ門の記者会見場で、先端半導体の量産を目指す新会社「Rapidus(ラピダス)」の設立記者会見が開かれた。狭い会見場に50人を超す記者が詰めかけ、急きょ座席が追加されるほどの注目ぶりだった。

ラピダスには、トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、キオクシア、NTT、NEC、ソフトバンク、三菱UFJ銀行の8社が合計73億円を出資する。さらに、経産省が所管するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、700億円を支援する。

世界最先端である「2ナノ」の半導体を2025年までに実現し、2027年にはファウンドリー(製造受託企業)として量産を目指す。社長には半導体メモリー大手のウエスタンデジタルジャパン元社長の小池淳義氏、会長には半導体製造装置大手・東京エレクトロン元社長の東哲郎氏が就く。

東氏は、政府の「半導体・デジタル産業戦略検討会議(半デジ会議)」の座長で、小池氏もその中心メンバーだ。半デジ会議は経産省の主導で2021年3月から6回開かれ、半導体やIT産業の事業者、学者らが、日本の半導体産業の再興策を話し合っている。

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