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菱洋エレクトロ「5年前から統合に向けて前準備」 リョーサンとの統合を決めた中村社長に聞く

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半導体商社の中堅2社が存続を賭けて経営統合することを決めた。2社の経営トップを直撃した。

菱洋エレクトロ社長社長
菱洋エレクトロの中村守孝社長。5年前の時点で「今の会社の状態では存続していけない」と社員に檄を飛ばしたという。(撮影:今井康一)

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2023年5月、中堅半導体商社のリョーサンと菱洋エレクトロが経営統合を決めた。2024年4月までとする統合が完了すれば、売上高ではマクニカホールディングス、加賀電子、レスターグループに次ぐ規模となる。2社の統合はほかの半導体商社にとって刺激になりそうだ
菱洋エレクトロはテレビ向け半導体に強みがある商社だが、近年は商権の移動に左右されにくいICTソリューションを強化している。統合によって何を目指すのか。菱洋エレクトロの中村守孝社長に聞いた。


──統合相手の本命は、もともとリョーサンだったのですか。

エレクトロニクス商社連合以外の可能性についても考えた。尖った強みをつけるために、機能充実を図るような方向性もあるのではないか、と。しかし、菱洋エレクトロ1社の規模では、質・量の好循環を作りきれない。なので自分のほうから連合のチャンスを探していた。

リョーサンとの統合を決めたのは、(リョーサン社長の)稲葉和彦さんとの出会いが大きい。ある日、彼がうちを訪ねてきたんだが、好青年だなと思い、1人の若い人として、気に入った。

お付き合いする中でリョーサンについて調べると、うちとは事業内容の被りが少ない。うちが商権を失っていたルネサスエレクトロニクスの代理店でナンバー1、というのもあるが、明らかに得意分野が違った。ということは、シナジーも出しやすい。こりゃ結構いいぞ、と。

社長就任時から「先々難しい」と構想

──他社との経営統合についての構想はいつから?

2018年に社長に就任した頃から、1社で生き残っていくのは先々難しいと思っていた。そもそも卸業は収益性が低く、不安定。その中でも菱洋エレクトロは際立って収益性が低い。ましてや規模も小さい。

就任当時は減収続きで赤字寸前、株価もPBR(株価純資産倍率)も低い、さらに低配当。従業員の待遇も、東洋経済の「給与が低いランキング」に載るくらい悪かった。企業風土的にも、業績的にもさまざまな課題があった。

これでは経営統合なんて提案しても、「何ほざいてんだ」と思われてしまう。まずは1社で内的な充実を図らないと、誰も組んでくれない。なので、5年間かけて社内を立て直してきた。並行して、組むとしたらどういう可能性があるか、つねに考えていた。

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