特集『半導体 次なる絶頂』の第14回。1980年代に約4割を握っていた日本勢のシェアは2019年時点で約1割に。世界の半導体市場における日本のシェアはこの30年で凋落した。今動かなければ日本の地位は一段と低下しかねない。
「日本人はそんな所にいないでくれ」──。半導体製造に使うフォトレジスト大手のJSRで社長まで務め、現在は名誉会長の小柴満信氏。米国で顧客の工場を訪れた際、守衛からそう言われた経験を持つ。
時は1990年代。日米半導体摩擦の熱がまだ残っており、反日感情は若き日の小柴氏にも向けられた。日本の半導体産業は、世界を席巻し80年代に栄華を極めた。危機感を覚えた米政府は、日本の半導体市場の開放や日本の半導体メーカーによるダンピングを防ぐための日米半導体協定を86年に締結。日本勢の弱体化を図った。
シェアが「ほぼ0%に⁉」
それから35年を経た2021年6月。経済産業省が「半導体戦略」と題した資料で示した「将来予測」が話題を呼んだ。19年時点で約1割となった世界の半導体市場における日本企業のシェアが、将来的には「ほぼ0%に⁉」と警鐘を鳴らしたのだ。86年には約4割のシェアを占めていただけに、その凋落ぶりはすさまじい。
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