"ウリ" は設計から製造までの期間の短さ。だがエコシステムは未熟だ。
昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
「まさに千年に一度のチャンス。二度とない機会だ」。
9月1日、北海道千歳市で行われたラピダス・千歳工場の起工式で同社の小池淳義社長は気炎を上げた。
起工式には、西村康稔経済産業相、鈴木直道北海道知事ら政治家や半導体政策を率いる官僚に加え、半導体製造装置メーカー大手・東京エレクトロンやシリコンウェハー大手・SUMCOなど、半導体関連企業の首脳がズラリと顔を並べた。まさに、ラピダスが「国策」プロジェクトであることを印象づける船出だ。
ラピダスは、次世代の最先端半導体の量産を目指して2022年8月に設立された。同社にはトヨタ自動車やデンソー、NTTやソフトバンクなど国内の大手企業8社が出資。経産省もラピダスを全面的に支援し、これまでに3300億円を助成している。
2ナノ世代の量産を目指す
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