ラピダスと「天才の半導体ベンチャー」提携の裏側 伝説のエンジニア率いるテンストレントとは

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ラピダスとテンストレント
テンストレントCEOのジム・ケラー氏(左)とラピダス社長の小池淳義氏は協業会見でがっちりと握手(写真:ラピダス)

次世代の最先端半導体の国産化を目指すラピダス。ファウンドリー(受託製造会社)となる同社には、「製造を委託してくれる顧客がそもそもいるのか」という問いがつねに投げかけられていた。今年11月に発表した、とある半導体ベンチャーとの提携が問いへの答えとなりそうだ。

そのベンチャーの名はTenstorrent(テンストレント)。2016年にカナダで設立された、AI(人工知能)向け半導体の設計に特化するファブレス半導体メーカーだ。韓国の現代自動車やサムスングループの投資ファンドなどから累計3億ドル以上をこれまでに調達している。

ラピダスは今後、回路線幅が2ナノ(ナノは10億分の1)メートル世代のAI半導体の開発をテンストレントと進めていくことになる。2025年に試作ライン稼働、2027年に量産開始というスケジュールだ。

両社の提携はどのように実現したのか。まずは、テンストレントがどのような企業なのかを押さえておこう。

ケラー氏は半導体開発の伝説的存在

「伝説の半導体エンジニア」

テンストレントを知るうえで欠かせないのは、CEOのジム・ケラー氏の存在だ。

ケラー氏はこれまでAMDやアップル、テスラ、インテルなどを渡り歩き、最先端半導体の開発に携わってきた。業界内では「伝説的」「天才」と形容される有名人である。

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