日本が長らく参戦してこなかった先端半導体の生産に挑むラピダス。高い技術的なハードルをいかに乗り越えていくのか。ビジネスは持続可能なのか。小池淳義社長を直撃した。
昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今世界規模で起きているのが、官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。戦略物資と化した半導体の今に迫った。
──ラピダスでは、設計から製造までのスピードを重視します。
これまでの半導体は、とにかくコストの安いものが要求されていた。だが世の中が変わって、今はまさにAI用のチップが大きく進化している。
(変化が速い業界なので)企業それぞれの専用チップをいかに速く出せるかが勝敗を分けるようになっている。
だが実情はそれとは逆。設計も製造も複雑になり、設計だけで何年もかかっている。ファウンドリーの顧客は今のスピードにまったく満足していない。
だからラピダスは、顧客が最もよい環境で設計できるようサポートを行い、前工程での製造期間を短縮する。後工程も世界で初めて同じ場所で行う。それにより、設計から製造までの期間を今の半分にする。ここまで改革したら、皆驚くだろう。
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