AI(人工知能)半導体市場で独走するエヌビディア。圧倒的強さの源泉は何か。いつまでこの天下は続くか。2014年から本社副社長も務める大崎真孝・日本代表に質問をぶつけた。
開発者支援を続けた効果だ
──AI半導体市場で1強ぶりが際立ちます。なぜここまで強い?
2つある。まず1つは半導体メーカーとしての設計能力が高いこと。2年に1度新しいアーキテクチャー(設計思想)を作り、性能を何倍にも高めた製品をリリースできるのは、大きな強みだ。
もう1つはこれまで開発者に提供してきたソフトウェア、開発ツール群を中心としたエコシステム(生態系)を作り出したことである。ほとんどの半導体メーカーが手がけるソフトは、あくまでチップを動かすための最低限のもの。だがエヌビディアはチップ以上にソフトウェアに力を入れている。
ゲームのグラフィックス向けで事業を始めて以来、開発者のコンテンツ制作を直接サポートしてきた。00年代に入り、さまざまなシミュレーションを行う科学技術計算でGPU(画像処理装置)が使われるようになっても、対応するツールやソフトを提供。ゲーム以来ずっと流れは変わらず、近年はそれがAIにつながってきた。
こうした土壌は1年や2年でできるものではなく、実はチップそのものよりもそちらに爆発力がある。半導体メーカーといわれるのは違和感があるくらいだ。
──エヌビディアにとっての日本の位置づけとは何ですか。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら