中国の半導体大手、積塔が2700億円調達の背景 中国製チップ不足のなか投融資の意欲旺盛

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車載用半導体不足の中、中国政府の国産化促進政策を受けて大型資金調達に成功した(積塔半導体のシリコンウェハー検査プロセス、同社ウェブサイトより)

車載用半導体などを製造する中国の積塔半導体(GTA)がこのほど、複数の国有ファンドや地方政府系ファンド、半導体関連企業などから総額135億元(約2728億円)に上る投融資を受けたことがわかった。積塔半導体にとって約2年ぶりの大型資金調達だ。

インターネットと接続しAI(人工知能)を利用する自動車のスマート化により車載用半導体の需要が急増しており、世界的な供給不足、特に中国製の代替チップの不足が続くなか、車載用半導体製造の分野に資金が集まりやすくなっている。

投融資、国有ファンドが主導

積塔半導体の既存株主によると、今回の投融資は国有ファンドが主導した。上海のベンチャーキャピタル、浦東創業投資を筆頭に、大手国有企業である中国電子信息産業集団(CEC)傘下の半導体ファブレス大手、華大半導体、国有ファンドの中電智慧基金など20余りの投資家が資金を出した。

積塔半導体は2017年に創業、現在の従業員数は3100人を超える。大株主は華大半導体で、中国でもっとも早く自動車用半導体とIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の製造に参入。上海市内の2カ所に工場を構え、生産能力は建設中ラインを合わせて月産28万枚(8インチウェハー換算)に達する。

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