中国の半導体大手、積塔が2700億円調達の背景 中国製チップ不足のなか投融資の意欲旺盛

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積塔半導体の前回の大型資金調達は2021年11月。戦略的投融資として80億元(約1617億円)を調達した。

上海の浦東自由貿易区内にある積塔半導体の工場(同社ウェブサイトより)

この時も筆頭投資家を華大半導体が務め、その他に中電智慧基金、国改双百基金、中国国有企業構造調整基金などの国有ファンド、上海汽車集団傘下の投資会社である尚頎資本、スマホ大手の小米(シャオミ)系ファンドの小米長江産業基金などが融資した。

EV高速充電向けなどで需要

本記事は「財新」の提供記事です

当時、積塔半導体は自動車関連電子部品の生産能力を高める計画を進めており、例えば650~3300ボルトの高電圧に耐えるSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の開発を加速していた。こうした部品の採用により、800ボルト以上の高電圧でEV(電気自動車)に急速充電することが可能になる。

中国では半導体メーカーによる資金調達が引き続き活発だ。広東省の半導体製造会社の広州粤芯半導体技術(キャンセミ・テクノロジー)は事業拡大のため、2022年6月と11月に資金調達を行い、それぞれ45億元(約909億円)と数億元の獲得に成功した。

(財新記者:張而弛、屈運栩)
※原文の配信は9月6日

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