役職定年になって身に染みる自分の価値。
一定の年齢になると役職を解かれる「役職定年」──。中高年の働く意欲をそぐ制度として大きな問題になっている。大手建材メーカーの部長だったAさんは待遇の違いに愕然とした。
「給与が下がることは予想していましたが、机が両袖から片袖に、席も同僚から離れた場所に移されました。会社貸与のノートPCも、高性能の薄型PCが、低スペックの厚めの重たいPCになりました。『高性能のPCなんて必要ないでしょ。あなたにはもう期待していませんよ』という嫌がらせとしか思えませんでした」
役職定年は、1980年代から1990年代にかけて、企業の定年が55歳から60歳へ引き上げられる中で、人件費の抑制と組織の新陳代謝を目的に作られた制度。役職定年制のある企業は全体では16.7%とそれほど多くはない(人事院「民間企業の勤務条件制度等調査」2023年)。が、従業員500人以上の企業では27.7%と、規模が大きいほど導入割合が高い。
『役職定年もどき』も
定年後研究所とパソナマスターズが、比較的大規模な52社へ行った調査によれば、役職定年があると答えた企業は54%(28社)と半数を超えた(「共同調査結果報告書」2023年2〜3月実施)。
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