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孤独な中高年に襲いかかる「SNS投資詐欺」の実態 被害額が急増、実例から浮かび上がる手口は?

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被害総額は4000万円。付け入る隙となったのは孤独だ。

投資詐欺の被害に遭った夫のメモ
投資詐欺の被害に遭った夫のメモ。女性がゴミ箱の中から見つけ出した(写真:筆者撮影)

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孤独死や陰謀論が社会問題化している。その背後にあるのが、日本社会で深刻化する個人の孤立だ。本特集では、身元保証ビジネスや熟年離婚、反ワク団体など、孤独が生み出す諸問題について、実例を交えながら掘り下げていく。

「年末には億の金が入るんだ」

会話をすることがめっきり減っていた夫を問い詰めると、そんなことを言い出した。いま思い返せばあのときにクギを刺しておけばよかったと、後悔している。

神奈川県川崎市に住む60代の女性が夫の異変に気づいたのは4年ほど前のことだった。クレジットカードの利用履歴に、覚えのない120万円の記録があり、口座から引き落とされていたのだ。

夫に尋ねると、「大したことじゃない」「すぐに元が取れる」などと、はぐらかされた。まったく腑に落ちない。説明を求めると、ようやく夫は語り出した。1カ月ほど前に東京・池袋の街頭で男から声をかけられたという。

その日、夫は池袋駅近くのビルの壁に掲示されていた外国為替証拠金取引(FX)のチャートを眺めていた。すると、FX投資会社の営業担当者を名乗る男から「ちょっとお時間あったら、話だけ聞いてもらえませんか」と促された。

普段、話し相手がいないこともあって、ついてゆくことにした。

夫婦の会話がなかった

話はFX投資だった。程なく「クレジットカードの利用限度額を調べたい」とその男に言われた。運用実績があるという説明や、高い利回りが得られるという話を信用し、クレジットカードを渡してしまった。

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