「最期まで私が看る」くらたまがホスピスではなく自宅で夫を看ることを選んだ理由――医師が「救急車を呼んではいけない」と言った意味
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夫が使っていた介護用ベッド。訪問看護師さんに聞きながら手配しました(写真提供/倉田真由美)
漫画家でエッセイストの倉田真由美さんは、すい臓がんで「余命6カ月」と宣告された夫の叶井俊太郎さん(享年56)を自宅で看取った。宣告の日から1年9カ月後だった。
「家で死にたい」という夫の思いを妻はどう受け止め、何を準備したのか。倉田さんの著書『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』から、一部抜粋・再編集して紹介する。
「状態が急激に悪化している」
夫は毎月一度、国立病院に検査に行っていました。そこで血液の状態をみたり、痛み止めや眠れない時の睡眠薬をもらったりしていたんですが、2024年を迎えてからは「状態が急激に悪化している」と言われてしまいました。
「炎症も起きているし、肝臓の値もよくない。現に今も、かなり具合が悪そうですね」
確かに2024年2月に入ると調子のよくない日が続きました。
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