「最期まで私が看る」くらたまがホスピスではなく自宅で夫を看ることを選んだ理由――医師が「救急車を呼んではいけない」と言った意味

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夫が最も恐れていた「痛み」を取ることは、在宅でだってできます。「緩和ケア」は病棟に入らずとも可能だということを、多くの人が知らないのが現状です。

「俺、ここで死にたい。だめ?」

病院に入らないと決めた後のとある夜、いつもの座椅子に身体をもたせかけた夫がポツリと言いました。だめなわけないのに、あえて念を押すかのように。

だめなわけないでしょ、ずっと私がそばにいて面倒見るからねと答えました。

この約束を守ることができてよかった。「家で死にたい」という夫の希望が叶ってよかった。もしそうじゃなければ、大きな心残りになっていたのは間違いないですから。

在宅緩和ケアという選択肢

「最期を自宅で」というのは、望んだとしても誰にでも叶うことではないのが現状です。病気の種類によって、状態によって、家族の意向や状況によって、阻まれることは多いそうです。

実際日本人は、大多数が病院で亡くなります。いろんな条件が整って初めて家で死ぬという選択ができるのかもしれません。

「最期まで家で過ごしたい」という人がその望みを叶えられるよう、「在宅緩和ケア」という概念が多くの人に知られ、選択の幅が広げられるようになったらいいなと思っています。

イラスト
(イラスト/倉田真由美)
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