東京都港区、高層ビルの狭間にひっそりたたずむ古くて小さなマンションの1部屋、12畳1ルームにミドルシニアの夫婦2人が、猫と預かり犬と一緒に暮らしています。と言いますと、「わざわざ物価の高い都会で暮らすメリットなんてない」というご意見を多々いただきます。
若い頃は人気のブランドショップや、おしゃれなカフェを巡って「都会ってキラキラしていて最高!」ってなるかもしれません。でも年齢を重ねると物欲は減退、おしゃれへの興味は薄れ、外食は「遠くのおしゃれカフェより近所のファミレスでいいや」と思う人も多い気がします。
それでも東京都心部でセカンドライフを送ることを決めたのは、夫がステージ4のスキルス胃がんで闘病しているから。今回のエッセイでは、都心で闘病するメリットと、「すぐ入院する夫」に聞いた入院のQOLを上げつつコストを下げるコツについてつづります。
がんでも機嫌よく暮らす
夫は2022年の春に2度にわたる手術で胃を全摘出し、秋には余命半年を宣告され、ロスタイムに突入してからすでに1年以上が経過しました。入退院を繰り返しながらも、機嫌よく前向きに暮らしています。
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