幾人もの逮捕者を出した神真都Q。いったいどんな集団だったのか。
「ワクチン反対! 子どもを守ろう!」
新型コロナウイルスワクチンの小児接種が開始される1カ月ほど前の2022年1月9日。東京・渋谷でデモ行進が行われた。参加者は1500人近く。
主催したのは前年設立の「神真都(やまと)Q」。同様のデモが、ほぼ全都道府県で同日に開催され、以後、これが隔週で行われた。
彼らの主張を要約すると、「新型コロナウイルスは存在しない」「ワクチンは毒で、ディープ・ステート(DS=影の政府)による人口削減計画の一環」「PCR検査はインチキ」「マスクも有害」となる。
全国のデモ隊は都道府県ごとにLINEのオープンチャットを開設しており、朝日新聞の藤原学思記者の算出では、合計の登録者数は1万3000人を超えた(取材者ややじ馬も含まれる)。
「Qアノン」の日本支部を標榜
20年に新型コロナワクチンが開発されて以降、日本でもさまざまな反ワクチン団体が活動しており、神真都Qは後発組だった。しかし活動規模の大きさから、すぐにネット上で注目された。
団体名からわかるように、自らアメリカの陰謀論集団「Qアノン」の日本支部を標榜していた点も大きな特徴だ。第2回全国同時デモの新宿デモでは、「私たちはトランプ(元)大統領に承認された、世界に17億人いるQです!」などと拡声器で大々的に宣言していた。トランプをDSと戦うリーダーと位置づけ、デモでは「トランプ」の文字が入った帽子をかぶり、アメリカ国旗やトランプ支援ののぼりなども掲げる。
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