「レプリコンワクチンのデマに徹底的に対抗する」 不安に対しMeiji Seika ファルマ社長が答えた

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小林社長はシェディングやmRNAが体内で増殖し続けるという言説に対し「デマだ」と憤る(撮影:今井康一)
高齢者らを対象にした新型コロナウイルスワクチンの定期接種が10月に開始された。使用されるワクチンは5種類あり、新たに選択肢の一つとなったのが「レプリコン(増幅型)」と呼ばれる新しいタイプのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。明治ホールディングス傘下のMeiji Seika ファルマが「コスタイベ」の名称で製造・販売している。このワクチンが薬事承認されたのは日本が初めてだ。
Meiji Seika ファルマはコスタイベについて、従来のワクチンと比べて投与量が少なく済み、さらに効果が長続きするため年1回の定期接種にふさわしいと説明する。
一方、このワクチンの安全性について、日本看護倫理学会が懸念を表明する緊急声明を発表。接種者の入店を拒否する店舗や、コスタイベの予約を始めた医療機関への嫌がらせも相次いでいる。著者がMeiji Seika ファルマ社員を名乗る書籍『私たちは売りたくない! ”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』が話題になるなど、不安が広がっている面もある。
一部の国民に広がる不安へどう応えるか、小林大吉郎社長に聞いた。

 

――10月に新型コロナワクチンの定期接種が始まりましたが、当初の想定より需要が少なくなっています。

予想していたよりも、接種数がはるかに少ない。しかし、来年以降、ワクチンに対してのデマや誹謗中傷が除外された後に、きちんと評価されると期待している。

問題は、反ワクチン派の人たちがデマを広めたため、インフルエンザワクチンなどほかのワクチンの接種率も低くなっていること。接種機会を逃して(新型コロナやインフルエンザで)亡くなる方も出るだろう。

これは子宮頸がんワクチンの話と同様だ。子宮頸がんの予防効果があるワクチンだが、過去にメディアなどがワクチンを危険だと発信したことから定期接種が中止となり、接種率がほぼゼロになった。

今、年間1万人の女性が子宮頸がんに罹って亡くなっている。やっと定期接種が再開したが、接種率は低い。影響は非常に深刻だ。

想定していなかった強い批判

――ここまでワクチンへの批判があると想像していましたか?

ここまでとは思っていなかった。SNSがなければ「変わった人がなんかいっている」くらいの反応だったと思う。SNSの拡散力で、これだけ悪いほうに波及するとはまったく想定していなかった。

日本人はどうしても「100%の安全」を求めたいのかもしれない。だが基本的に、医療は一定のリスクを伴う。コスタイベがまるっきり安全だというつもりはまったくない。

残念ながら、重篤な副反応が起きる確率もまれにあるのは事実。いくら確率が低いといっても、起きた本人にとっては大変なことだ。だからこそ、正確な情報を伝える必要がある。

医薬品の副作用で亡くなる人も毎年一定数いる。だからといって「医薬品は必要ない」という声は出ない。医薬品は、亡くなる可能性があった人を救っているからだ。

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