年収激減!役職定年で3割、再雇用で半減の衝撃 銀行員は40代で出向か給料ダウンを迫られる

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「地獄の役職定年・定年後再雇用」特集バナー
失敗しない55歳からの人生設計とは
サラリーマン人生の終盤が見え始める50代。定年後は「リタイアしてゆっくり」なんて考えていては地獄まっしぐらだ。役職定年や、定年後再雇用で給料が激減してしまうからだ。週刊東洋経済10月28日号では「地獄の役職定年、定年後再雇用」を特集。定年後の給与や待遇といった現実、そして失敗しない55歳からの人生設計についてお伝えする。
週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]
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「これまでの経歴から考えれば、私は役員になれるようなタマではありません。今の立場になれただけで十分です。現在の仕事を全うし、その後は違う道を歩みますよ」

ある銀行で営業系の部長を務める50代前半の男性は、悟ったかのようにほほ笑みながら語った。

しかし、口ではそう言いながら、時折、物憂げな表情を浮かべ、心ここにあらずの感じ。というのも実はこの部長、最近、役員になるための研修を受講していたのだ。

とはいえ、受講者全員が役員になれるわけではない。これまでの経歴や実績、そして何よりも銀行員としての実力でふるいにかけられ数人しか残れない。

同期で他行に入った学生時代の友人は、すでに執行役員になって生き生きと働いている。そんな姿を横目に、「役員になりたいという希望と、なれないだろうという諦めとの狭間で揺れているのではないか」。部長の心境について、部長と関係が近い行員はこのように解説する。

立ち並ぶ銀行の看板
収入こそ恵まれているが、サラリーマン人生は短い銀行員(撮影:梅谷秀司)

エリート銀行員の悲惨

銀行員といえば、日本を代表する「ザ・サラリーマン」。いつか役員、そして頭取になる日を夢見て、日々猛烈に働いている。しかし、バブル崩壊によって大手行同士が合併し、銀行自体の数が激減。それに伴って、役員をはじめとするポストの数も大幅に減少した。

にもかかわらず今の50代はバブル期の入行組で、同期だけでもかなりの数に上る。そのため前述した部長も、かつてない激しい出世競争を勝ち抜いて今のポジションを勝ち取った、いわば“勝ち組”である。

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