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大手銀行マンが身を粉にして働いた末に得たもの 「たそがれ研修」で突きつけられた将来の絶望

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会社員人生で、仕事以外に得たものはあるだろうか。

ノートパソコンと額に手をあて悩むビジネスパーソン
猛烈に働いた人ほど、退職後に何も残っていないことに気づく(写真:PIXTA)

特集「地獄の役職定年・定年後再雇用」の他の記事を読む

サラリーマン人生の終盤が見え始める50代。定年後は「リタイアしてゆっくり」なんて考えていては地獄まっしぐらだ。役職定年や、定年後再雇用で給料が激減してしまうからだ。週刊東洋経済10月28日号では「地獄の役職定年、定年後再雇用」を特集。定年後の給与や待遇といった現実、そして失敗しない55歳からの人生設計についてお伝えする。
週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年10/28号(地獄の役職定年・定年後再雇用)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

40代の銀行員の男性は、同年代の同僚が集められた会議室で、先ほどからうんうんとうなっていた。人事担当者に与えられたペーパーを埋めろと言われたのだが、ペンが進まなかったからだ。ペーパーの趣旨は「人生の棚卸し」だ。

「書ける内容など何もないのに、いったい何をどう書けばいいというんだ」

気ばかり焦って、額には汗がにじむ。ほかの参加者たちはどうだろうと周囲を見回すと、同じように固まっていた。しばらくして、人事担当者の「そこまで」との声が会場に響くと、皆一様にため息をついていた。

40代中頃で「たそがれ研修」

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