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最高裁判決で後退した定年後再雇用者の待遇 「定年前の基本給6割減は違法」が退けられる

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再雇用者の基本給大幅減に対する最高裁の判断が示された。

裁判所の看板
(写真:tetsu / PIXTA)

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サラリーマン人生の終盤が見え始める50代。定年後は「リタイアしてゆっくり」なんて考えていては地獄まっしぐらだ。役職定年や、定年後再雇用で給料が激減してしまうからだ。週刊東洋経済10月28日号では「地獄の役職定年、定年後再雇用」を特集。定年後の給与や待遇といった現実、そして失敗しない55歳からの人生設計についてお伝えする。
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「定年後再雇用者の基本給の格差について、不合理である場合もありうるとしたものの、高等裁判所の示したボーダーラインについて再検討せよとされたことで、同一労働同一賃金の観点から、現時点では後退したといえるのではないか」

労働法に詳しい暁法律事務所の指宿(いぶ すき)昭一弁護士は、7月20日に最高裁判所で言い渡された判決を受けて、このように語った。

この訴訟は、名古屋自動車学校の元教習指導員で定年後に再雇用された2人が起こしたもの。2人は、業務内容や責任の範囲は定年前と同じであるにもかかわらず、基本給が月額16万〜18万円から月額7万〜8万円に減額されたのは不合理だとして自動車学校を訴えたのだ。

「基本給」の格差が不合理かどうか

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