「正社員vs非正規」「管理職vs一般社員」、職場に潜む“見えない壁”の正体。《何を考えているのかわからない》と心の距離は広がるばかり

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悩む上司
いざこざがなく、一見すると問題がないように見える職場。しかし、一人ひとりの心中やいかに…?(写真:takeuchi masato / PIXTA)
ジェイフィール代表取締役でコンサルタントの高橋克徳氏は2008年、ベストセラーとなった著書『不機嫌な職場』(共著)で、ギスギスした職場で社員同士が協力できない状況になっていることをまとめた。
それから17年。今、職場はどうなっているかといえば、価値観や考え方の違いが見えない壁をつくり、互いに触れられない、向き合えない、対話ができない。ギスギスした感情もなければ、衝突や対立もない。互いの心の距離が離れ、「静かなる分断」が生まれていたーー(本記事は、高橋氏の著書『静かに分断する職場 なぜ、社員の心が離れていくのか』から一部を抜粋し、再編集したものです)。

不機嫌な職場では、「壁」は見えていた

2008年、仲間と一緒に『不機嫌な職場』を出版した当時は、職場の中にまだ感情が交流していました。自分の殻に閉じこもる人たちが増えたことで、仕事の連携がうまくいかない、協力し合えない、誰もフォローしてくれない……。

そんな職場になったことで、「ギスギス感情」や「冷え冷え感情」が組織全体に広がっていきました。仕事上の壁がコミュニケーション不全を起こし、負の感情の連鎖を起こしていました。

ところが、この状況が変わらない職場では、いつの間にか、負の感情すら交流しなくなりました。本当はどう思っているのか、何を考えているのかがわからない。どうせ何も変わらないとあきらめていく社員が増えていく。

そんなモヤモヤした感情が広がる中でコロナ禍になり、ますます互いの感情が見えなくなる。もしかすると相手は違うことを考えているのかもしれない、自分とは相容れない考え方や価値観を持っているのかもしれない。

そう思うと、本当はそこに壁があるのかはわからないけれども、大きな壁があるように感じてしまう。これが「見えない壁」です。

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