紅茶は基本的に健康的な飲料だが…「避けた方がいい人、飲んだ方がいい人」の違いは何か?

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紅茶を飲む女性
紅茶は健康に良い? 悪い? 世界中で研究されている紅茶の健康効果について、最新の知見に基づいて解説します(写真: misako/PIXTA)
紅茶が健康に悪いという話はあまり聞かないかもしれませんが、腎結石のリスクなどと結びつける話もあります。紅茶とはどう付き合えばいいのでしょうか。
膨大な研究結果などから効果的な食事を科学的に分析した書籍『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』を上梓したハーバード大学医学部講師の濱谷陸太氏に、紅茶についての最新の知見を紹介してもらいます。

紅茶は実は健康に悪い?

紅茶は健康に良いという見方が多いかと思いますが、悪いという話もあります。具体的には、腎結石を増やしたり、歯や骨を脆くする、といいます。これは本当なのでしょうか。

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
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紅茶と腎結石に関しては、栄養素の観点からは「シュウ酸」により説明されます。腎結石の多くは「シュウ酸カルシウム結石」です。なので、腎結石予防のためにはシュウ酸の摂取量を減らしたほうがよい、というのは理にかなっています(※1)。

しかし、栄養素=食材ではありません。紅茶と腎結石について、直接的に評価した研究をみてみましょう。

実はヒトにおいて、「紅茶が健康に悪い」とした研究結果は、実際にあります。例えば、一つは中国北京の病院で行われた研究で、100人ずつの腎結石あり/なしの患者を比較したものです。腎結石ありの患者の方が定期的に紅茶を飲む人が多かった、と結論しています(※2)。

しかし、この研究がどれほど信頼に足るかというと、まったく当てになりません。いくら医学誌に発表されている論文であっても、信頼に足るものと足らないものがあります。そもそも数百人というのは、ヒトを対象とする研究では少なすぎます(ふつうに考えて、数百人の研究で普遍的なことが言えるわけありませんね)。

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