
紅茶は実は健康に悪い?
紅茶は健康に良いという見方が多いかと思いますが、悪いという話もあります。具体的には、腎結石を増やしたり、歯や骨を脆くする、といいます。これは本当なのでしょうか。
紅茶と腎結石に関しては、栄養素の観点からは「シュウ酸」により説明されます。腎結石の多くは「シュウ酸カルシウム結石」です。なので、腎結石予防のためにはシュウ酸の摂取量を減らしたほうがよい、というのは理にかなっています(※1)。
しかし、栄養素=食材ではありません。紅茶と腎結石について、直接的に評価した研究をみてみましょう。
実はヒトにおいて、「紅茶が健康に悪い」とした研究結果は、実際にあります。例えば、一つは中国北京の病院で行われた研究で、100人ずつの腎結石あり/なしの患者を比較したものです。腎結石ありの患者の方が定期的に紅茶を飲む人が多かった、と結論しています(※2)。
しかし、この研究がどれほど信頼に足るかというと、まったく当てになりません。いくら医学誌に発表されている論文であっても、信頼に足るものと足らないものがあります。そもそも数百人というのは、ヒトを対象とする研究では少なすぎます(ふつうに考えて、数百人の研究で普遍的なことが言えるわけありませんね)。
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