「卵は1日1個まで」に科学的根拠はあるか…「卵を食べれば食べるほど心血管病のリスクが上がる」という論文の本当のところ

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卵を食べる女性
卵は1日何個まで食べていいのでしょうか(写真:polkadot/PIXTA)
「卵は1日1個まで」という話を聞いたことはないでしょうか。コレステロール値を気にして、1日1個までと決めている人もいるかもしれません。一方、筋トレ好きの人の中には、炭水化物の代わりに1日何個も食べている人もいます。果たして、卵は制限した方がいいのでしょうか。1日何個も食べてもいいのでしょうか。
膨大な研究結果などから効果的な食事を科学的に分析した書籍『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』を上梓したハーバード大学医学部講師の濱谷陸太氏に、「卵は1日1個まで」説の真実を解説してもらいます。

卵を食べれば食べるほどリスクが上がる?

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
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卵の摂取量については、諸説あります。一部の筋トレ好きには「いくら食べても良い」という人もいますが、「卵は1日1個まで」という〝専門家〟の意見も耳にすることがあります。2019年には、「卵を食べれば食べるほど心血管病のリスクが上がる」と結論した論文が発表されてメディアに大きく取り上げられました(※1)。

実際この研究は非常に権威ある医学誌に発表されたため、これを受けて「卵は1日1個まで」という主張をよく目にするようになりました。しかし実は、この論文は研究の方法論に大きな問題があり、おそらく普遍的な因果関係は捉えられていません。

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