
かつてはこの家で同居していたという娘も、ここ7年ほど中には入れてもらえなかったという(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
「モノ屋敷」。生活用品が部屋に散乱しているが、生ゴミは少ないことが特徴である。ゴミ屋敷と違って近隣住民に気付かれることが少ないため問題視されづらいが、本人は1人で悩みを抱え続けていることが多い。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信するゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)代表の二見文直氏に、モノ屋敷の事例とその原因を聞いた。
動画:なぜ片付かない? ゴミ屋敷じゃないのに溢れる「モノ屋敷」
※本連載がマンガになりました。ぜひ、無料で読める【漫画「ゴミ屋敷」~孤独な部屋の住人たち~】もご覧ください。
典型的な「モノ屋敷」の実家
70代の母親が1人で住んでいたのは、階段のない団地の3階にある一室だった。テレビ番組がよく取り上げる「ゴミ屋敷」のように、ゴミが天井まで積み上がっているわけでもなければ、生ゴミを溜め込んでいるわけでもない。虫が湧いたり、異臭がしたりするわけではないが、決して快適な空間ではなかった。
間取りは2DKだが、生活の痕跡があったのはリビングにあるローテーブルの一角と、キッチンだけだった。ローテーブルの前に敷かれている万年床でほとんどの時間を過ごしていたのか、手の届く範囲にあるモノだけが綺麗である。

母親が主に生活していた和室。布団の上のスペースで寝起きしたり、食事したりしていたようだ(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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