
医療機関を受診したほうがよい咳とは? 咳をコントロールするための生活の工夫についても解説します(写真: buritora/PIXTA)
エアコンの直風や柔軟剤のにおい、たばこの煙、会話といった日常的な刺激で咳が止まらなくなる「咳過敏症」が今、注目されている。
急に咳き込み、職場では会議や商談の中断を余儀なくされる、電車内などの公共交通機関では周囲の目が気になる……。仕事や生活に支障をきたし、悩む人も少なくない。
これまでは体質や原因不明とされていたが、今は診療ガイドラインにも追加され、治療の道が見え始めている。近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座主任教授の松本久子医師に、詳しい症状や咳き込みを防ぐ対策、治療法について聞いた。
咳は体を守る大切な反応だが…
咳は本来、体を守るための大切な反応だ。外から入ってきたホコリやウイルス、細菌を体の外に押し出すために起こる。
風邪などのウイルス感染を発端に出始めることが多いが、通常なら数週間で治まるのが一般的だ。それがいつまでも治らずに長引いて、8週間以上続く場合を「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」という。患者は日本全国に約300万人いると推定されている。
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