夏場を抜けても…「隠れカビ」による"おうちデミック"に要注意! その咳や喉の不調、エアコンや加湿器、羽毛布団からくる『過敏性肺炎』かも

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咳をする女性
なんとなく咳が続く…そのままにしていると危険かも? (写真:polkadot / PIXTA)

家にいるとなんだか息苦しい。時には咳も出るのに、外出や旅行をすると症状がよくなる……という“ヘンテコ”な経験をしたことはないだろうか?

実はそれ、『過敏性肺炎』と呼ばれる、肺炎の一種かもしれない。原因はウイルスなどの病原体ではなく、あなたの“おうち”に潜むカビ! 重症化すると酸素吸入が必要になる場合もあるが、驚くべきことに、引っ越しやリフォームをするだけでケロっと治ってしまうこともあるのだ。

この『過敏性肺炎』とはいったい何者なのか。この病気について多くの論文を発表している、東京都・複十字病院 呼吸器内科の下田真史医師に詳しく伺った。

長引く咳、カビによるアレルギーの肺炎である可能性も

「まず、『過敏性肺炎』というのは、カビや細菌などの病原菌や鳥の蛋白質、金属粒子などを吸い込むことによって発症するアレルギーの肺炎です。さまざまな原因物質が報告されていますが、日本で最も多いのは、“夏型過敏性肺炎”と呼ばれる、木造住宅などに発生する『トリコスポロン』というカビが原因となるタイプです」(下田医師・以下同)

このカビは高温多湿な環境を好むため、「夏型過敏性肺炎」のピークは、梅雨でジメジメし始めた6月から8月だという。しかし、今年はまだまだ油断ならない。日本列島はかつてないほどの猛暑に見舞われ、6~8月の平均気温は3年連続で統計史上最高を更新。そのうえ、気象庁の発表では、この9月以降も平年を上回る残暑が予測されている。

「例年でも9月、10月に入ってから症状が出る方もいらっしゃいますし、今月に入っても真夏並みの暑さが続く日もありますから、気が抜けません。“夏型過敏性肺炎”にかかると、まずは咳や息苦しさなど呼吸器系の症状が現れます。ほかには、喉は痛くないのに痰が出る、身体がダルいなど。時には、軽度から中程度の発熱が伴うこともありますね」

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