夏場を抜けても…「隠れカビ」による"おうちデミック"に要注意! その咳や喉の不調、エアコンや加湿器、羽毛布団からくる『過敏性肺炎』かも

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「新型コロナウイルスの騒ぎに隠れてしまっていましたが、実は、この“加湿器肺”は、コロナ禍の時期に静かに増加していたのです。コロナ禍中に加湿器を購入する家庭が増えたことで、罹患者数がワッと増えたと考えられます」

コロナ禍では多くの人が、ちょっとした咳や発熱で「コロナにかかったかも」と心配したかもしれない。だが、それが実は「加湿器肺」だった可能性もあるということだ。

キノコに金属、楽器…意外なものにも注意を

恐ろしいことに、『過敏性肺炎』はまだまだ幅広い。

「鳥を飼っている方もいらっしゃると思いますが、そんなご家庭でときどき見られる“鳥関連過敏性肺炎”も、その名のとおり『過敏性肺炎』の一種。これは、動物性タンパク質によるアレルギーなのですが、動物のなかでも特に鳥が原因となって出る症状です。

なぜ鳥由来が多いのかはよくわかっていませんが、鳥がアレルギーになるというなら、一般家庭で使用されているダウンジャケットや羽毛布団も、同じく“鳥関連過敏性肺炎”の原因になり得るということです。なぜか咳が続く場合などは、それらの使用を避けてください」

今後、1月から3月にかけて『過敏性肺炎』が再びピークを迎える可能性が高いという。エアコンや加湿器などの衛生面に不安がある人や、気になる症状が出た人は、クリーニングを検討しつつ、病院を受診してみると安心だろう。

さらに、農業で有機肥料の“鳥糞”を使う人やキノコ栽培業者、金属を削る仕事をしている人がかかるパターンもある。「一風変わったものでいえば、サックス奏者が『過敏性肺炎』になった事例も。原因はなんと、サックス内部で発生したカビでした」と下田医師。カビの繁殖力はなかなかにすさまじく、どこで発生するか予想しきれない。下田医師はこう続ける。

「住居内で言えば、洗い場、洗面所の水まわり……お風呂やトイレのタイルなどが思い当たるでしょう。でも、それだけではありません。畳やカーペット、寝具、本類、壁紙にカビが発生したり、もっとわかりづらいものでは、天井にいたりもします。型にはめて考えず、あらゆる場所に注意してください」

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