夏場を抜けても…「隠れカビ」による"おうちデミック"に要注意! その咳や喉の不調、エアコンや加湿器、羽毛布団からくる『過敏性肺炎』かも
原因となるカビは木材でよく繁殖するため、下田医師によると、「築20年以上の木造住宅に長年、住んでいる方などの発症が多い」という。夏以外にも、住宅のカビが原因となって"住宅関連過敏性肺炎"
では、「うちは木造じゃない」「あとひと月もすれば暑さも落ち着く」と安心していいものだろうか。残念ながら、そうとは言い切れない。
「先ほどお伝えしたように、『過敏性肺炎』という大きなくくりで言えば、ほかの病原菌や金属粒子などを吸い込んだ場合にも発症事例があるのです。身近なものでいえば、エアコンや加湿器などにもこの病気の影は潜んでいます」
エアコンも原因に。「加湿器肺」はコロナ禍に増加
昨今は夏場、冬場に限らず、ほぼ1年じゅう大活躍していると言っても過言ではない文明の利器・エアコン。エアコンは空気を吸い込み、冷やしたり温めたりして室内に送り出す仕組みを持つが、運転中、内部で大量の結露が発生していることをご存じだろうか。
下田医師によると、「そこに空気中のホコリや汚れが付着すると、カビにとって絶好の繁殖環境となり、『過敏性肺炎』の一種である“空調病”を引き起こす恐れがある」という。
エアコン内のカビの代表例としては、黒カビ「クラドスポリウム」があり、吹き出し口、フィン、内部全体で発生する。次に「アスペルギルス」。これは空気中に広く存在し、フィルター、ファン周辺に多く潜む。また、青カビである「ペニシリウム」は、内部の湿った部分全体で発生するそう。
次に、特に乾燥しがちな秋〜冬にかけて、多くの家庭が使用する加湿器。加湿器に発生するカビは主に白カビ、黒カビ、ピンク色のカビ(酵母菌や細菌)の3種類に分けられる。白カビは比較的取り除きやすいが、黒カビは健康への影響が大きいため、「発見次第すぐに対処が必要」と下田医師は警鐘を鳴らす。
そこにピンク色のぬめりも発生し、これらとバイ菌、またそれらが作り出す毒素「エンドトキシン」などが合わさって舞い上がると、これまた『過敏性肺炎』のひとつ、「加湿器肺」の原因になるとのこと。
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