評価額6兆円!「ビジュアル経済圏」を席巻する"陽キャ"なオーストラリア企業の正体…日本の大企業とも契約、急成長を導いた独特な社内風土とは?

SNSや動画、ニュースサイトのインフォグラフィックス……気が付けば日々、膨大な数のビジュアルコンテンツに遭遇している。個人だけでなく、企業にとってもSNSやマーケティングでビジュアルが重要になる場面が増えているだろう。
そんな「ビジュアル経済圏」が拡大する中で、急成長している会社がある。オーストラリアに拠点を置く、Canva(キャンバ)だ。
世界に2億4000万人のユーザーを抱える同社の年間売上高は約30億ドル(約4400億円)。直近の企業価値の評価額は420億ドル(約6兆2000億円)に上り、オーストラリアで数少ないユニコーンとあって、新規株式上場(IPO)への期待も高まっている。
「ビジュアル化」の波に乗った
「デザインできない人がデザインできるようにする」――。2012年に創業したキャンバの目的は明快だ。キャンバを使えば、デザインの知識や経験がなくても、ネット上でテンプレートや画像、文字などを選んでプレゼン資料やチラシ、SNS投稿用のグラフィックなどが簡単に作れる。
サービス開始と同時に飛びついたのは、ブロガーやインフルエンサーなど大量のコンテンツを作る必要があった人たちだ。そこから口コミで利用者が増えていくと同時に、SNSが爆発的に普及したことで、際立ったビジュアルのコンテンツを作成するニーズが一気に高まった。

「SNS向けのグラフィックから始まり、プレゼンテーション、動画、ウェブサイト、Tシャツ、インフォグラフィックへと利用が広がっていった」と、Canva創業者の1人で、最高製品責任者(CPO)のキャメロン・アダムス氏は当時を振り返る。
当初はデザイン用の画像販売で稼いでいたが、現在はより多くの素材や機能を使えるようにした個人向けの有料サービス「Canvaプロ」(
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