無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7つの悪質手口
ユーザーを事業者にとって都合のよい選択に誘導するデザイン「ダークパターン」。不本意な会員登録を強いられたり、不要な商品を買わされたりするのは、気持ちのいいことではない。このようなデザインはなぜ生み出され、そして使われ続けているのか。
ダークパターン問題の提起・啓発に取り組む、武蔵野美術大学教授/コンセント代表取締役の長谷川敦士氏に、法規制の現状や、企業がうっかりダークパターンを使用しないために注意すべきことを聞いた。
ユーザーを「騙して行動を誘導」するデザイン
——「ダークパターン」とはどのようなデザインをいうのでしょう。問題となった経緯を教えてください。
端的にいうと「ユーザーを騙すデザイン」です。行動経済学には、直接的に指示せずともつい相手がその行動を取るように促す「ナッジ(「肘で人をツンツンとつつく」の意)」という概念があります。
ダークパターンはWebのユーザーインターフェース(UI)でこれを悪用したものです。ユーザー自身の心理を利用するため個人の注意不足とも紙一重であり、「騙されたのは自分のせいだ」と感じる人もいます。
そもそもナッジは、2000年代初頭から公共領域で適用されていました。例えば、重要な通知に返信させるような工夫や、エレベーターではなく階段を利用させる仕掛け、ポイ捨てを防ぐ仕掛けなどです。
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