無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7つの悪質手口
人に意図しない行動をさせることの良し悪しは当時から指摘されていましたが、「特定の行動を強制するわけではなく、選択肢は残されている」という観点で許容されてきました。
ネットで散見される7種類の「ダークパターン」
——ダークパターンにはどのような種類があるのでしょうか。
OECD(経済協力開発機構)では7つに類型化しています。
「行為の強制」:商品を閲覧するだけのユーザーにも会員登録を求める、など。アカウント作成や情報提供など特定のタスクを強制する。
「インターフェース干渉」:「いいえ」のボタンを意図的にグレーにし、クリックできないものだと錯覚させる、など。意図的に誤解をさせる。
「執拗な繰り返し」:選択肢が「はい」「あとで回答する」しかないポップアップが何度も表示される、など。ユーザーがいつか「はい」を押すように誘導する。
「妨害」:退会方法をわかりづらくしたり、サインアップは簡単でも退会には電話やメールが必要になる、など、手続きを本来よりも意図的に困難にする。
「こっそり」:定期購入が条件であることを隠して商品を格安で販売したり、商品価格を格安で表示する分、送料を異様に高額に設定したりする、など。
「社会的証明」:「○人がこのページを見ています」「お客様の声」など。閲覧者数を誇張したり、架空の意見を掲載したりする行為は当然許されないが、OECDは、たとえ情報が事実であっても誤解を招くものは使うべきではないとしている。
「緊急性」:セール終了までの時間を表示するカウントダウンタイマー、など。ユーザーにプレッシャーをかけることを目的とし、カウントダウンは虚偽であることも少なくない。
——大手企業をはじめ、ダークパターンが導入されている例は散見されますが、世界各国ではどのような対応・規制が行われていますか。国内外の法整備の状況を教えてください。
比較的厳しい法規制の例として、アメリカ・カリフォルニア州のケースがあります。個人情報取得の確認であらかじめ「情報提供を承認する」が選択されていて、拒否するにはユーザー自身がチェックを外さなければならないものや、チェックボックスの文言を二重否定の長文にしたりして判断を難しくさせることなどを禁じています。
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