「こども誰でも通園制度」理想実現までの高い壁 利用枠「月10時間以上」だが現場は保育士不足

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そもそも待機児童対策のために面積基準ギリギリまで子どもを詰め込んできたような施設では、きゅうくつな環境になってしまっているところもある。そんな施設では、子どもが自分のペースで遊んだり生活したりできるように、むしろ定員を減らしてゆったりしたスペースを確保することを優先すべきではないか。

子どもの育ちを豊かに支えたいのであれば、こういった人員配置や保育室面積などの環境面も充実させて保育の質を上げなければ意味がない。しかし、特に人員配置の充実には、保育士不足という現実が立ちはだかる。

保育士不足がすべての足かせに

2024年度から保育士の配置基準も改定されることが発表された。これまで4・5歳児30人に対して1人の保育士を配置するという基準だったが、25人に対して1人配置しなければならなくなる。

3歳児も20人に対して保育士1人だったが、15人に対して1人という配置になる(3歳児については2015年以降、雇用できた施設への人件費の加算が行われてきたが、今回、正式に基準改定となる)。

このような保育士配置の改善は、保育の質を向上させるとともに、保育士の負担軽減につながり離職を減らすことに寄与することが期待されている。しかし、この基準改定にも保育士不足への配慮から「当分の間、従来基準での運用も認める」というただし書きがつけられている。

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