東京都中央区「認可に入れないNo.1」の保育事情 保育園落ちても「待機児童」にならない衝撃実態

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自治体ごとの真の「保育力」を分析する新連載スタートです。第1回は東京都中央区を分析していきます(写真:tkc-taka/PIXTA)
保育政策の充実度を測る指標は「待機児童数」だけではありません。過去20年にわたり主要100自治体へ保育施策に関する独自調査を行ってきた「保育園を考える親の会」の代表の普光院亜紀氏が、「入園決定率」「園庭保有率」「保育料」といった指標から、自治体ごとの真の「保育力」を分析します。第1回の今回は東京都中央区です。

中央区は都心3区のひとつであり、古くから東京の中心地として栄えてきた街です。オフィス街には大手企業の本社があり、また、日本橋や銀座など老舗が並ぶ商業地もかかえています。そんな都心の区は1990年代までドーナッツ化現象により人口が減少していましたが、その後、湾岸エリア(晴海・勝どきエリア)のマンション開発によって人口が増加に転じました。今ではタワーマンションが林立し、経済的に余裕のある共働き世帯を中心に人気を集めています。

中央区の人口構成を見ると子育て世代がとくに多くなっており、その結果、年少人口も大きくふくらむ傾向にあります。「中央区人口ビジョン」は、今後も中央区全域で人口が増加するものと予測しています。

3つの指標で見る中央区の保育力

入園決定率59.5%(主要89自治体*平均 77.5%) 
園庭保有率19.0%(主要98自治体*平均 71.8%)
中間的な所得階層の1歳児保育料16300円(主要98自治体*平均30587円)
*首都圏の主要市区、政令指定都市100市区が調査対象だが、有効回答数は指標・年度によって異なる

【2020年12月14日14時05分追記】初出時、保育料の数字の一部に誤りがありましたので修正しました。

まずは入園決定率から見ていきましょう。

新連載スタートです

保育園を考える親の会では、毎年、首都圏の主要市区と政令市の100市区について「100都市保育力充実度チェック」という調査を行っています。その中で、認可の保育(認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育等)に入園を新規に申し込んだ子どものうち何パーセントが入園できたかという数値「入園決定率」を算出しています。

国が発表している待機児童数は人口が多い自治体の数値が多くなり、「入れなかった児童数」からさまざまな数字を差し引いた数になっているので、実際の入園の難易度とはかけ離れたものになっています。「待機児童ゼロ」と発表した自治体でも、認可に申し込んで入園できていない子どもはたくさんいます。

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