東京都中央区「認可に入れないNo.1」の保育事情 保育園落ちても「待機児童」にならない衝撃実態

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人口が増加している自治体では、どうしても保育園の入園事情が悪くなります。中央区の「入園決定率」は有効回答89市区中で最低です(2020年4月1日入園での数字)。認可に新規に申し込んだ1947人のうち、6割の1158人しか認可に入れなかったということになります。

しかし、この「認可に入れなかった児童」が待機児童としてカウントされるわけではありません。ここから「国が待機児童数にカウントしなくてもよいとしている定義に該当する児童」を引いた数字が「待機児童数」になるのです。この「国が待機児童数にカウントしなくてもよい」としているケースは6つあります。

  1. ①国が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(企業主導型保育事業)
  2. ②自治体が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(地方単独事業:東京都の認証保育所など)
  3. ③保護者が育児休業を延長していて復職の意思が確認できない場合(育児休業中の者)
  4. ④通える範囲に保育施設(認可外も含む)が空いていると判断され、そこを利用していない場合(特定の保育園等のみ希望している者)
  5. ⑤再就職希望で求職活動を十分に行っていないと見なされる場合(求職活動を休止している者)
  6. ⑥その他:幼稚園の預かり保育、認可に移行するための補助を受けている認可外保育施設、特例保育などを利用している場合

中央区の場合、申込児童数と利用児童数から算出すると、「認可に申し込んで認可を利用できてない児童数」は730人*になりますが、ここから上記6つのケースに当てはまる528人が差し引かれ、待機児童数は202人となっています。待機児童数では、全国8位の多さです。

*ここでの「申込児童数」はすでに在園している児童が進級する際の申し込みも含むため、「新規入園の認可申込児童数-新規利用児童数」とは若干の誤差が生じる。

中央区の場合、「認可に申し込んで認可を利用できていない児童数」のうち待機児童数は27.7%になっていて、100市区の平均8.0%よりもだいぶ高くなっています。これは、「利用できていない児童数」から差し引いている数字が相対的に少ないということであり、中央区の待機児童数はほかの自治体に比べると実態に近い(正直な)数字になっているとも言えます。

中央区の入園選考の特色

そもそも認可保育園等への入園申し込みは市区町村別に行われ、定員を上回る園・クラスについては市区町村が選考(利用調整)を行います。選考は保護者の就労状況やその他家庭の状況を点数化し、保育の必要性が高いと判断された児童から優先的に入園が決定します。

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