「こども誰でも通園制度」理想実現までの高い壁 利用枠「月10時間以上」だが現場は保育士不足

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保育園に子どもを預ける母
「こども誰でも通園制度」は本当に誰でも利用できる子育て支援制度になるか?(写真:Ushico / PIXTA)

昨年、岸田内閣が異次元の少子化対策の一環として打ち出した「こども誰でも通園制度」。取りあえず2024年度は試行事業ということで、こども家庭庁はおよそ150の自治体での実施を想定して公募を行っている。制度を拡充して本格実施にこぎつけるのは、2026年度になる見通しだ。

「働いていなくても子どもを預けられる!」と注目を集めた本制度だが、本当に誰でも利用できる制度になるのだろうか。

専業主婦家庭の子育て支援として

現在まとまっている案によれば、「こども誰でも通園制度」は、認可保育園や認定こども園などを利用していない生後6カ月から3歳未満の子どもを対象に、保護者の就労の有無などは問わず保育を利用できる制度として計画されている。

試行事業では「月10時間」が利用時間の上限となるが、先日、2026年度からの本格実施では「月10時間以上で内閣府令で定める時間」とすることが発表された。

「専業主婦家庭の子育て支援策」と言えるが、実は、保護者の就労等を要件としない公的な預かりサービスとしてすでに一時預かり事業があり、多くの自治体が実施している。

「保育園を考える親の会」が実施する都市部の調査「100都市保育力充実度チェック」2023年度版を見ると、調査対象の100市区のすべてが一時預かり事業を実施していた。

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