横浜市の認可保育園「入所保留3421人」の実態

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今回は神奈川県横浜市の「保育力」を分析していきます(写真:Fast&Slow/PIXTA)
保育政策の充実度を測る指標は「待機児童数」だけではありません。
過去20年にわたり主要100自治体へ保育施策に関する独自調査を行ってきた「保育園を考える親の会」の代表の普光院亜紀氏が、「入園決定率」「園庭保有率」「保育料」といった指標から、自治体ごとの真の「保育力」を分析します。
第3回の今回は神奈川県横浜市です。

横浜市は、全国に20ある政令指定都市の1つであり、人口は約376万人と市町村で全国1位です。

横浜市は18の区で構成されていますが、2019年度中に11の区で人口が増加。減少したのは金沢区、瀬谷区、旭区、泉区などの7つの区で、横浜市全体では人口の増加傾向が続いています。

保育に関する制度は横浜市全体で行われていますが、認可への入園申し込みは各区で受け付けていて、入園の難易度も区によって違っています。ただし、自治体としては1つなので、横浜市民が居住区以外の区の認可保育施設を希望しても不利にはなりません。

横浜市全体の数字を見ていきましょう。

3つの指標で見る横浜市の保育力

入園決定率 81.0% (主要89自治体*平均 77.5%) 
園庭保有率 71.9% (主要98自治体*平均 71.8%)
中間的な所得階層の1歳児保育料 34,000円(主要98自治体*平均30,587円)
*首都圏の主要市区、政令指定都市100市区が調査対象だが、有効回答数は指標・年度によって若干異なる

まずは入園決定率から見ていきましょう。

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保育園を考える親の会では、毎年、首都圏の主要市区と政令市の100市区について「100都市保育力充実度チェック」という調査を行っています。その中で、認可の保育(認可保育園、認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業等)に入園を新規に申し込んだ子どものうち何パーセントが入園できたかという数値「入園決定率」を算出しています。

国が発表している待機児童数は人口が多い自治体の数値が多くなり、「入れなかった児童数」からさまざまな数字を差し引いた数になっているので、実際の入園の難易度とはかけ離れたものになっているからです。

横浜市の「入園決定率」は、81.0%。認可に入園を申し込んだ児童のうち約8割が認可に入園できているということになります。これは調査対象市区の平均に近い数字です(2020年4月1日入園での数字)。ただし、横浜市は広大な自治体なので、地域によって入園事情には差があると見られます。

区ごとの入園決定率は算出できませんが、横浜市では、港北区、鶴見区、戸塚区、神奈川区などの区を、今後も重点的に整備する地域としていますので、これらの区では入園事情が厳しくなっているものと考えられます。

次ページ「入所保留児童数3421人」が本来の待機児童数
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