国は認可保育園の園庭の広さについて、「2歳以上児1人につき3.3㎡の屋外遊技場が必要」としていますが、近くの公園等での代替も認めています。保育園を考える親の会では、認可保育園のうち基準を満たす広さの園庭を保有する園が何%かという「園庭保有率」を独自に調査しています。都市部では、この園庭保有率が年々低下していて、園庭のない認可保育園が急増しています。
横浜市の2020年度の「園庭保有率」は71.9%で、周囲の県庁所在市と比べると千葉市(65.9%)よりも高く、さいたま市(86.1%)よりも低くなりました。園庭保有率は認可保育園のみで算出していますが、横浜市は、基準上園庭が必須とされている幼稚園の預かり保育を独自の補助制度で拡充しており、幼稚園の環境を保育に活かしている点も特徴的です。
横浜市が、認可保育園に営利企業の参入を推し進めたときは懸念する声が多く、実際に不祥事が起こったこともありましたが、その分、保育の質の確保に力を入れてきた面もあります。
認可保育園を新規に開設する場合には、外部の委員が入った審議会で事業者を審査しています。2018年度から保育施設の状況を確認し助言や指導を行う巡回訪問を新たに開始し、2020年度は約480施設を訪問したとしています。また、外部の評価機関が保育の質を評価する第3者評価の受審を、受審料を補助して施設に促しています。
2020年3月には、横浜市の保育施設の保育者が大切にすべき事項を示した宣言を策定しました。子ども一人ひとりの思いを大切にし、他者との関わり、主体的な遊びを豊かにする旨が宣言されています。
保育料は高め
横浜市の保育料は、主要98自治体平均と比べると高めです。
認可の保育料は自治体が独自に決めており、3歳以上児は無償(別途、食材料費の負担あり)、3歳未満児は世帯所得によって額が異なります。
横浜市の3歳未満児の最高所得階層の保育料は77,500円で、調査対象100市区では、品川区、文京区と並んで12番目に高い額になりました。保育園を考える親の会では中間的な所得階層(*)の保育料も調べていますが、横浜市は34,000円で、有効回答98市区の平均(30,587円)を上回っています。
*中間的な所得階層=所得控除前の年収が夫5,259,156円・妻1,001,161円、夫の社会保険料額を73,6282円、子ども1人とした、第1子保育料(総務省「家計年報」を参考に設定)。
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