森永卓郎さん(享年67)が最期に問うた「《東京生まれ東京育ち》の政治家・官僚の"限界"」

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さらば!グローバル資本主義――「東京一極集中経済」からの決別
「東京生まれ東京育ち」の政治家や官僚が、地方の生活や考え方、悩みの実情を「自分ごと」として捉えることは難しい(写真:H.Kuwagaki/PIXTA)
余命宣告を受けてから、「忖度なしの活動」を続け、今年1月28日に享年67で逝去した森永卓郎氏。
氏の最期の書き下ろし原稿と、亡くなる1カ月前に行ったインタビューによる“資本主義の闇”に切り込んだ『さらば!グローバル資本主義――「東京一極集中経済」からの決別』が刊行された。同書は発売前に大増刷が決まるなど、早くも話題を呼んでいる。
森永氏が最期に到達した「日本人が生き抜くための“答え”」とは――。
今回は、新刊を再編集したうえで、「『東京生まれ東京育ち』の政治家や官僚の"限界"」について森永卓郎さんの問題提起を紹介する。

150年間続く「東京一極集中」の流れ

徳川幕府が倒れた明治維新以降、約150年の間に、日本は東京に人が集まるシステムをつくり上げました。

さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別
『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

その結果、現在の日本社会に現れたひとつの特徴は、「政治家や官僚のほとんどは東京育ち」という現実です。

地方出身でも早い段階で東京に出てきて、東京の高校・大学を卒業しています。里帰りするのは盆暮れ正月だけ。

言ってみれば、「東京生まれ東京育ち」なのです。

現在、東京大学に入学する学生の家庭の約4割は年収1000万円以上といわれています。こういう高所得な家庭は地方よりは都心に多いもの。

また進学校や進学塾の環境が整っているのも都心ですから、入学者の5割以上は首都圏出身者となっています。

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