森永卓郎さん(享年67)が最期にたどり着いた「日本人が生き抜くための"答え"」は《さらば!グローバル資本主義》だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
森永氏が生前行った「一人社会実験」は、「グローバル資本主義」から訣別するためのものだった(写真:genzoh/PIXTA)
余命宣告を受けてから、「忖度なしの活動」を続け、今年1月28日に享年67で逝去した森永卓郎氏。
氏の最期の書き下ろし原稿と、亡くなる1カ月前に行ったインタビューによる“資本主義の闇”に切り込んだ遺作『さらば!グローバル資本主義――「東京一極集中経済」からの決別が刊行された。同書は発売前に大増刷が決まるなど、早くも話題を呼んでいる。
森永氏が最期に到達した「日本人が生き抜くための"答え"」とは――。
今回は、新刊の「まえがきに」を再編集のうえ、全文を特別公開する。

これまでの私の日常─ステージ4の宣告を受けるまで

早朝5時─。

さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別
『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私はいつものようにひとりベッドからおき出して、寝息をたてる家人をおこさないように作業着に着替えて家を出ます。

2023年の12月にステージ4のがん宣告を受ける前までの私は、季節によってはまだ真っ暗なこの時間に家を出て、近くに借りている畑で汗まみれになりながら畑仕事をしていました。

着古したシャツによれよれのズボンと野球帽、首にまいたタオル。

もともとタヌキ型の体型でしたから、誰が見てもどこから見ても田舎の農夫に見えていたはずです。自分でもそれでいいと思っていました。

畑の傍らに置いたママチャリに下げた袋には、ペットボトルが約10本。畑には水道がきていないので、家から重い水を持ってこないといけないのです。

快適な畑仕事にあって、唯一これだけが私の重労働でした。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事