「本書が絶筆になるのは間違いない。 それでも"このことだけ"は言いたい」森永卓郎さん(享年67)が最期に記した「資本主義が行き詰まる4つの理由」

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さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別
森永さんは、ノンフィクション作家の神山典士さんとの共著『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』で、「生き方と働き方をリセットしよう」と訴えかけている(写真:bee/PIXTA)

経済アナリストの森永卓郎さんがステージ4のがん宣告を受けたのは、2023年12月のことだったという。

「という」などという表現を用いたのは、いまも実感がわかないからだ。「そんなに昔のことだったか」と。

亡くなる24時間ほど前にラジオ番組出演

しかし、そう感じてしまうのは当然であるとも思う。

なぜなら森永さんはその後も、まったく面識のなかった私でさえ違和感を覚えるほど、つまり病を抱えているとは思えないくらい、精力的に活動を続けられていたからだ。

さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別
『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

残念ながら1月28日に逝去されたが、とても驚いた記憶がある。

その前日、亡くなる24時間ほど前に出演されていたラジオ番組を聴いていたからだ。もちろん元気いっぱいではないにせよ、声と話しぶりはいつもとまったく変わらなかった。

この原稿を書くにあたりポッドキャストで聴きなおしてみたのだが、やはり、翌日お亡くなりになるとは思えなかった。

なぜか? 

ご本人も認めているとおり、彼は全力で生きたからだ。

そう信じて疑わないからこそ、『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』(森永卓郎、神山典士 著、東洋経済新報社)の冒頭に書かれている以下の文章にも納得できるのである。

がん宣告を受けて以降、私はやりたくない仕事は一切やっていません。
言いたいことは誰にも忖度せずに言う。書きたいものは書く。書いておかなければ死ねないから書く。(「まえがき 私が『東京一極集中経済』との決別に踏み切った訳――森永卓郎」より)
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