
経済アナリストの森永卓郎さんがステージ4のがん宣告を受けたのは、2023年12月のことだったという。
「という」などという表現を用いたのは、いまも実感がわかないからだ。「そんなに昔のことだったか」と。
亡くなる24時間ほど前にラジオ番組出演
しかし、そう感じてしまうのは当然であるとも思う。
なぜなら森永さんはその後も、まったく面識のなかった私でさえ違和感を覚えるほど、つまり病を抱えているとは思えないくらい、精力的に活動を続けられていたからだ。
残念ながら1月28日に逝去されたが、とても驚いた記憶がある。
その前日、亡くなる24時間ほど前に出演されていたラジオ番組を聴いていたからだ。もちろん元気いっぱいではないにせよ、声と話しぶりはいつもとまったく変わらなかった。
この原稿を書くにあたりポッドキャストで聴きなおしてみたのだが、やはり、翌日お亡くなりになるとは思えなかった。
なぜか?
ご本人も認めているとおり、彼は全力で生きたからだ。
そう信じて疑わないからこそ、『さらば!グローバル資本主義: 「東京一極集中経済」からの決別』(森永卓郎、神山典士 著、東洋経済新報社)の冒頭に書かれている以下の文章にも納得できるのである。
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