横浜市の認可保育園「入所保留3421人」の実態

東京ではタダの「3歳以上児の主食代」は自費

横浜市が公表している「入所保留児童数」は、本来の待機児童数ともいえるものです。

前述のように、国がいう待機児童数は「認可に申し込んで認可に入れなかった児童」からさまざまな数字を差し引きますが、横浜市の「入所保留児童数」は、差し引く前の数字を自ら公表したものです。ここから「国が待機児童数にカウントしなくてもよいとしている定義に該当する児童」を引いた数字が「待機児童数」になります。

この「国が待機児童数にカウントしなくてもよい」としているケースは6つあります。

①国が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(企業主導型保育事業)
②自治体が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(地方単独事業:東京都の認証保育所など)
③保護者が育児休業を延長していて復職の意思が確認できない場合(育児休業中の者)
④通える範囲に保育施設(認可外も含む)が空いていると判断され、そこを利用していない場合(特定の保育園等のみ希望している者)
⑤再就職希望で求職活動を十分に行っていないと見なされる場合(休職活動を休止している者)
⑥その他:幼稚園の預かり保育、認可に移行するための補助を受けている認可外保育施設、特例保育などを利用している場合

横浜市の「入所保留児童数」つまり「認可に申し込んで認可を利用できてない児童数」は、3,421人になりますが、ここから上記6つのケースに当てはまる3,394人が差し引かれ、待機児童数は27人と発表されています。

*横浜市の公表値では、国と分け方が異なり、企業主導型保育と事業所内保育も地方単独事業に含まれている。本図は、それらを外に出して「企業主導型保育事業等を利用している者」とした。本図の「地方単独事業を利用している者」は主に横浜保育室と年度限定保育の利用者。

横浜市の待機児童数が「認可に申し込んで認可を利用できていない児童数」(入所保留児童数)に占める割合はわずか0.7%でしかなく、調査対象100市区の平均8.0%に比べると極端に小さくなっています。これは、「利用できていない児童数」から差し引いている数字がほかの市区よりも多いということです。とくに、「育児休業中の者」が37.0%にも及ぶ点は特徴的です(100市区の平均は14.2%)。

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