
AI研究者に1億ドルの契約一時金

シリコンバレーでは今、テック企業によるAI人材の争奪戦が激化している。とりわけメタは、競合のOpenAIなどのAI研究者に対して、1億ドル(約145億円)もの契約一時金を提示したという話が飛び交い、この数週間で11人ものトップクラスのAI研究者を引き抜いたとされる。その様相は年俸が高騰したプロスポーツ選手の移籍報道のようだ。
メタがここまで攻勢を強める背景には、AI開発競争での出遅れがある。OpenAIやグーグルなどが次々と大規模言語モデル(LLM)をリリースし、中国のDeepSeekのような新興のオープンソースLLMも出現するなか、メタは自社が主導するオープンソースAIモデルの開発で巻き返しを図るべくAI開発チームを強化している。
トップクラスのAI研究者やエンジニアを集め、新設したのが超知能の開発を掲げる「Meta Superintelligence Labs(メタ・スーパーインテリジェンス・ラボ)」だ。
メタは6月にデータラベリングを手掛けるスタートアップのScale AI(スケールAI)に143億ドル(約2兆円)を投じて、49%の株式を取得。この出資によって、Scale AIの創業者である28歳のアレクサンダー・ワンがメタのChief AI Officer(チーフ・AI・オフィサー)に就任し、Meta Superintelligence Labsを率いることになった。
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