
ソーシャルメディア企業のレディットはAIスタートアップのアンソロピックを6月4日に提訴し、1日当たり1億人を超えるレディットユーザーのデータをAIシステムの学習に違法に利用されたと非難した。
サンフランシスコのカリフォルニア州上級裁判所に提出した訴状でレディットは、アンソロピックがレディットのコンテンツポリシーに違反してレディットのデータに10万回以上アクセスしたか、アクセスを試みたと主張。アンソロピックはデータのライセンス契約締結を拒否し、レディットを踏み台にして不当に利益を得たとしている。
「アンソロピックのような営利企業がレディットユーザーへの見返りやプライバシーの尊重もなく、レディットのコンテンツを商業的に利用して多額の利益を得ることをわれわれは許さない」と、レディットの最高法務責任者ベン・リーは声明で述べた。
「データ使用に関する明確な制限なしに、AI企業が人々の情報やコンテンツをスクレイピング(抽出)するのを許すべきではない」
アンソロピックの広報担当者は、すぐにはコメントを出さなかった。
データを封鎖する企業が増加
AI開発競争が過熱する中、AI企業によるデジタルデータの利用をめぐる最新の衝突事例となったのが、今回の訴訟だ。