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研究者は高額報酬を受け取る一方、低賃金労働者を酷使…隆盛のAI開発最前線で起きている「不都合な真実」

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独禁法の網を避けつつ、実質は彼の採用を目的とした「アクハイア(acqui-hire)」(Acquisition(買収)とHire(採用)を組み合わせたテック業界特有の造語)だと言われる。

このアレクサンダー・ワンという人物こそ、シリコンバレーで今最も注目を集める若手起業家の一人だ。2016年にMIT(マサチューセッツ工科大学)を中退し、わずか19歳でScale AIを創業。創業当時OpenAIのサム・アルトマンCEOとサンフランシスコで同居していたという逸話もある。

事業も驚異的な成長を遂げており、Scale AI の2022年の売上は2億ドル(約290億円)、2024年には8億7000万ドル(約1260億円)、2025年には20億ドル超(約2900億円)を見込むという。24歳のときに、世界最年少のビリオネアになり、直近の評価額は290億ドル(約4兆2000億円)に到達した。

これほどまでに評価されるScale AIが手掛けているのが、データラベリングだ。AIの性能を左右するのは高性能なGPUやアルゴリズムだけではなく、AIに学習させる質の良いデータこそが重要になる。

低賃金労働者をデータラベリングに動員

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