年商目標は「早期に1兆円」
――なぜメーカーの物流子会社を買うのですか。
物流部門はメーカーの中で、単なる「販管費」(コストセンター)と見なされがち。すると、親会社が設備投資を認めてくれない。成長したくても、できない。仕事の範囲は狭く、給料も上がらない。働いている人たちは大きな不満を抱いている。
私は20年以上前からこうした会社に注目し、立派に稼げる物流企業に育て上げようと心血を注いできた。04年の雪印グループに始まり、東急やJVCケンウッド、古河電工など大手メーカーの子会社を買い、すべての業績を改善した。
結果として、当社の売上高は今期5000億円ほど。03年の上場時は約200億円で、名もないベンチャーにすぎなかった。目標は早期の年商1兆円。日本通運などの業界最大手と互角に戦える力が、これから付いてくるはずだ。
――物流子会社の業績は芳しくないケースが多いです。
メーカー子会社の多くは、親会社の仕事しかしていない。だから営業活動を担う人員が少ない。まずは業務内容を分析し、パートに任せられるものを洗い出す。浮いた社員が100人ぐらい出ることもある。彼らを営業部隊に回すと、売り上げが伸びていく。
社員が従来やっていた仕事はパートに置き換わるので、オペレーションのコストは下がる。価格競争力が生まれ、どんどん受注できるようになる。そのうちに倉庫が不足するので、ドンと投資する。成長のためなら、お金はいくらでもかける。
そのスピード感が重要だ。「(倉庫や土地の取得を)やりたい」と言われたら、「どれぐらい(棚が)埋まるんだ」と聞く。説明に納得できれば、億円単位の案件でも3分でOKを出す。 とにかく社員にチャレンジさせる。失敗したら「一生懸命にやったのか」とは問うが、最終的な責任はすべて私が負う。
業績が伸びれば、社員の給料やボーナスを上げる。以前は親会社からの指示を待っていた、そんな人たちの目の色が変わる。買収先の利益を増やし、待遇を高め、また優秀な人材に来てもらう。この循環が当社のビジネスモデルだ。
――その「必勝法」をどう編み出したのですか。




















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