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駿河屋の創業社長が吐露、「日本コンテンツの海外人気が沸騰している」「ロサンゼルスに旗艦店を出しリユースでアメリカ進出を狙う」

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杉山綱重/すぎやま・つなしげ 1972年静岡市生まれ。ゲームショップ勤務を経て、1998年にインターネット通販事業「駿河屋」を開始。2025年にエーツーから現社名に変更(写真:梅谷秀司)
漫画、アニメ、ゲーム、プラモデルなど、エンタメ商品のリユースをEC(ネット通販)と実店舗で展開する「駿河屋」の勢いが止まらない。売上高は過去5年で1・8倍の443億円に拡大。今後は全国に店舗網を広げると同時に、海外展開を本格化する方針だ。1998年、静岡県で中古ゲームのECからスタートした駿河屋。その創業時から現在まで社長を務める杉山綱重氏を直撃した。

日販グループとの協業が加速

――コロナ禍以降、成長のペースが加速しています。

1つは日販グループとの協業がうまくいっていることだ。2022年に両者の合弁会社を設立して「駿河屋」のフランチャイズ(FC)事業を始めた。簡単にいえば書店のスペースの一部に駿河屋がFCで出店する形だ。

書店は人気アニメの原作コミックを、当社はキャラクター雑貨を扱う。業態としての親和性が高く、丸善ジュンク堂書店や三洋堂書店をはじめ、多くの書店がFC加盟(事業参画)してくれている。

47都道府県のうち出店予定も含めて30まで進出済みだ。そう遠くないうちに、全都道府県をカバーできると思う。地方に出店すると、その地域での駿河屋の認知度が一気に高まり、ECサイトへの流入も増えるという好循環が生まれるのがメリットだ。

もう1つは日本コンテンツの海外人気の沸騰だ。ネットフリックスやクランチロールといった配信プラットフォームを通じて、日本のアニメが世界的に広がった。海外から関連グッズを買いたいというニーズが高まったとき、アニメ関連やホビー商品のリユースでトップシェアを持っていたのがうちだった。19年に立ち上げた海外通販サイトは、今や年商30億円レベルまでに急成長している。

――中古ゲームのECで創業した当初、ここまで拡大すると想定していましたか。

売り上げの年間成長率は平均20%程度。正直もっと成長しているはずだった。どこかで手抜かりがあったかもしれない(笑)。

ネット販売の比率が高まるとは昔から言われていたこと。中古ゲームの市場性の大きさに目をつけ、そこに企業として本気で取り組んだのはうちぐらいだった。

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