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東京センチュリー社長、みずほ銀行頭取から「転身」の舞台裏、次のリーダーを育成する「社長直轄プロジェクト」にも言及

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藤原弘治/ふじわら・こうじ 1961年生まれ。早稲田大学卒業後、1985年第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。2017年頭取。2024年東京センチュリー社外取締役、2025年4月から社長(写真:尾形文繁)
2021年からみずほフィナンシャルグループ(FG)で断続的に発生したシステム障害において、当時みずほ銀行頭取として対応に追われたのが藤原弘治氏だ。一連の障害の責任を取る形で2022年に退任し、その後は銀行以外の組織での活動が増えた。
ところが、昨年11月に再び脚光を浴びる。みずほ系列の大手リース会社、東京センチュリーの社長に就任することが発表されたからだ。頭取経験者がグループ会社のトップに転じることは異例。就任の経緯や目指す会社の将来像について、4月に就任した藤原社長に直撃した。

コングロマリット「プレミアム」に転換する

――東京センチュリーの社長を引き受けた経緯は?

みずほ銀行の頭取を退任した後は、みずほFG顧問のほか、早稲田大学や日本プロサッカーリーグの理事などを務めた。組織トップやガバナンスのあり方など、銀行以外の役職から得た学びは多かった。

その後、(東京センチュリーの)指名委員会から声がかかり2024年6月に社外取締役に就任した。すると今度は「ぜひ社長をやってもらえないか」という要請をいただいた。(頭取経験者がグループ会社の社長に就いた)前例はなかったが、みずほ時代の後輩などから「活躍の場があるなら頑張ってほしい」と周囲から背中を押されたこともあり、引き受けた。

銀行とノンバンク、それぞれの視点から金融を俯瞰できるのは貴重な機会だ。

銀行勤務時代から、東京センチュリーは興味深い会社だと感じていた。リース業と言われるが、今や伝統的なリースからの利益は全体の2割程度。多角化を進め、グループにはニッポンレンタカーもある。もはやコングロマリットだ。コングロマリット「ディスカウント」ではなく、「プレミアム」に転換させるべく、成長ストーリーを作っていきたい。

――リース業界ではオリックスや三菱HCキャピタル、三井住友ファイナンス&リースに次ぐ4番手です。存在感をどう高めますか。

(上位3社に)匹敵するような会社に十分なれる。 そのために私がここに来たと思っている。強みとなる事業を見極め、(資本提携を結んでいる)伊藤忠商事やNTTといった外部パートナーとの連携を深める。金融だけでなく自ら事業やサービスを展開できる立場も生かす。

例を挙げれば、自動車分野なら日本カーソリューションズとニッポンレンタカーという子会社がある。両者が取得した運行データを使って、新たなモビリティビジネスを構築できる。

プリンシパル・インベストメント(事業投資)なら、当社は(プライベート・エクイティファンドの)アドバンテッジパートナーズがグループにいるため、後継者不足に悩む企業の事業承継を支援できる。(祖業の)リースも、顧客との接点を得るうえで大切なプラットフォームだ。

次ページ中計は通過点。目線は10年後にある
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