保育園「あえて落ちる」人が続出する本質理由 「不承諾通知狙い」は良いのか?悪いのか?
「不承諾通知狙い」を巡る問題を理解するためにはまず、現行の育児休業制度について正しく理解する必要があります。
育児休業制度は1992年、1歳になる前日まで取得できる制度としてスタートしました。2005年、保育園に入れないなどのやむをえない事情があれば1歳半になる前日まで延長できる制度になりました。
さらに、2017年10月からは、同様にやむをえない事情があれば2歳になる前日まで再延長できることになりました。
これは、法律が保障する労働者の権利なので、条件を満たした社員から申請があれば、会社は認めなければなりません。また、延長した期間も雇用保険から育児休業給付金が給付されることになっています。
なぜ不承諾通知が必要なのか
育休延長は、単純に育児休業期間が2歳までに延長されたのとは意味が違います。誰でもできるわけではなく、育休期間が終わる時点(1歳・1歳半)で認可保育園などの利用申込みをしたのに、保育園による保育が実施されないなど、やむをえない事情がある人にだけ認められるものです。
この証明のために、自治体が発行する認可保育園などの「不承諾通知」「入所保留通知」(呼称は自治体による)が必要になります。
「育休を延長できると聞いて安心してしまい、1歳前に入園申請をしなかった」
「認可に入れそうもないから認可外だけ申し込んだけど、入れなかった」
というような場合は、育休延長制度を利用する権利を失ってしまいます。
そんな「うっかり」に注意を促すためもあったでしょう。1歳半までの延長制度ができた後から、ネット上に「不承諾通知のもらい方」を教える情報が流れ始めました。やがて、最初から育休を延長したい人たちの間で、「わざと落ちた」体験が共有されるようになりました。
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