日本人は「人口減少」の深刻さをわかってない 経済だけでなく社会全体の士気も弱っていく
最近、ニュースなどで「人口減少社会」というキーワードをよく見掛ける。
実際に、日本は8年連続で人口減少が続いている。少子高齢化が叫ばれて久しいが、ここにきて、「少子化=人口減少」が明らかに目に見える形で表れてきている。
縮小する経済、深刻化する供給過多
今年3月30日、国立社会保障・人口問題研究所が衝撃のデータを発表した。2030年にはすべての都道府県で人口が減少し、2045年までに日本の総人口は1億0642万人になると予想している。
2015年の総人口が1億2709万人だったから、今後30年で2000万人以上減少することになる。とりわけ、ひどい落ち込み方をするのは都市部より地方で3割減が当たり前と見込まれている。
高齢化も確実に進む。65歳以上の人口比率は東京都や神奈川県といった首都圏でさえも、現在の高齢者数に比べて1.3倍に増える。
ちなみに、2045年以降も人口減少は続き、47年後の2065年には8808万人、65歳以上の老年人口比率は38.4%となり、ほぼ4割が高齢者になる。
生産年齢人口比率は51.4%に落ち込み、現在(2015年)の60.7%を大きく下回る。働ける人が2人に1人の時代になりつつあるということだ。
さて、こんな人口減少社会は日本にどんな影響をもたらすのだろうか。大きく分けて次のような項目が考えられる。
➀デフレが続く
現在、日本銀行が実施している異次元緩和は、将来のインフレ期待を刺激してデフレから脱却しようとしている。
しかし、今後の人口減少、高齢化社会の到来を考えれば、誰だって気前よくおカネを使うわけにはいかない。将来インフレになるかもしれないという「インフレ期待」を演出しても、国の衰退を肌で感じる以上、デフレマインドは消えないし、生活防衛のために無駄な消費はできないのだ。
デフレの原因が人口減少だけではないにしても、この問題を素通りしては解決できない。人口減少は税収の減少をもたらし、巨額の財政赤字の原因とも密接な関係がある。
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