東京都中央区「認可に入れないNo.1」の保育事情 保育園落ちても「待機児童」にならない衝撃実態

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点数化の方法は自治体によって異なります。中央区の選考方法には、どのような特徴があるのでしょうか。保護者が就労している世帯では勤務時間が長い世帯が有利であることや、ひとり親世帯、認可外利用世帯、上の子がすでに在園している世帯などに加点される点は、中央区もほかの自治体と同様です。

「居宅内(自宅内)労働」よりも「居宅外(自宅外)労働」の家庭の点数を高くしている市区町村もありますが、中央区は差をつけていないので、自宅で仕事をしている人は助かるでしょう。また自宅で危険な業務を行っている場合(刃物や劇薬、火を扱う業種など)は加点されます。

中央区は「園庭保有率」も最低

国は認可保育園の園庭の広さについて、「2歳以上児1人につき3.3㎡の屋外遊技場が必要」としていますが、近くの公園等での代替も認めています。保育園を考える親の会では、認可保育園のうち基準を満たす広さの園庭を保有する園が何%かという「園庭保有率」を独自に調査しています。都市部では、この園庭保有率が年々低下していて、園庭のない認可保育園が急増しています。

中央区は2020年度の「園庭保有率」が19.0%となり、ついに2割を切りました。かつては、ほとんどの認可保育園に園庭があったので、これは大きな変化と言えます。この率を調べ始めた2015年の時点で、中央区はすでに35.3%になっていましたが、そこからも大きく低下してしまいました。

東京23区では2018年度まで文京区がワーストでしたが、2019年度から中央区がワーストになっています。また、東京23区は全国で最も「園庭保有率」が低い地域になっています。首都圏の主要市区、政令指定都市100市区の園庭保有率の平均は2020年度71.8%でした。

ちなみに、現在、中央区で園庭を有している園の多くは古くからある区立保育園です。幼稚園の場合は、園庭がなければ認可されないことを考えると、都心は土地がないとはいえ、このような状態は子どもにとって望ましいとは言えません。

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