スペースXが狙う「100万人火星移住」実現可能か? 成功のカギを握る"3つのもの"とは?

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人類が地球以外の地で暮らすとき、「水」の存在は欠かせません。

水は一石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなる重要な資源です。どのような役割があるのでしょうか。

【水の役割】   
1 《そのまま》で、「飲み水」や「農業用水」になる
2 分解して得られる《酸素》は、「呼吸」や「ロケットの酸化剤」に使える
3 分解して得られる《水素》は、「ロケットの燃料」に使える

月や火星で暮らす場合、なるべくなら現地で自給自足したいですよね。水は人間の飲み水だけでなく、農業用水の役割も担います。

さらに、化学の視点で見ると、水は「H₂O」。分解すると、「酸素」と「水素」を得ることができます。

呼吸に必要な酸素は、水が十分にあれば手に入るということです。

酸素にはもう1つ重要な使い道があります。

その使い方とは、ロケットの酸化剤です。さらに、水素はロケットの燃料になります。

燃料と酸化剤があれば、ロケットは飛ぶ。

つまり、水があれば、地球に帰還するロケットを飛ばすことができるということです。

「いかに現地調達できるか」が移住のカギ

月・火星移住には「基地」「酸素」「水」が不可欠ですが、これらすべてを地球から運ぶのは、莫大なコストがかかるので現実的ではありません。

移住実現のためには、いかに必要な物資を現地調達できるかにかかっています。

まず、「基地」の場合、月や火星の砂から建築資材をつくる研究が行われています。

そして、「酸素」については、月の砂や火星の大気から調達することが検討されていて、すでにNASAが火星の大気中の二酸化炭素から酸素を取り出す実験を成功させています。

「CO₂」を分解して酸素を得るということですね。

では、肝心の「水」はどのように調達できるのでしょうか。

月の砂には水分が含まれていると期待されていましたが、いまのところ地球の砂漠以上にカラッカラに乾いていることがわかっています……。

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